カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム』上下(集英社文庫)

1917年、バルセロナ。17歳のダビッドは、雑用係を務めていた新聞社から、短篇を書くチャンスを与えられた。1年後、独立したダビッドは、旧市街の“塔の館”に移り住み、執筆活動を続ける。ある日、謎の編集人から、1年間彼のために執筆するかわりに、高額の報酬と“望むもの”を与えるというオファーを受ける。(集英社http://bunko.shueisha.co.jp/newbook/index.html#14)

スペイン発の世界的ベストセラー『風の影』が翻訳されてからもう何年か。久しぶりにカルロス・ルイス・サフォンの本が訳されました。「忘れられた本の墓場四部作」の第二弾となります。シリーズものとはいえ場所やキャラクターはリンクしていますが『風の影』とは時代が違い、遡った年代の話となります。
主人公ダビッドが小説家として見出された時から話は始まり物書きとしての苦悩や恋愛が前作の『風の影』同様、ファンタジィーというか幻想的な世界観のなかで語られていきます。「物語」の虚構性をうまく活かしたなんでもありなエンターテイメント。読みやすいし面白かったんですが個人的には色々詰め込みすぎてちょっと浅くなったかなという気が…。前半はかなり好みだったんですが途中から虚構性の部分でのご都合主義なものが前面に出たかなと。期待が大きかっただけにまあ、まあというところ。

天使のゲーム 上 (集英社文庫)

天使のゲーム 上 (集英社文庫)

天使のゲーム 下 (集英社文庫)

天使のゲーム 下 (集英社文庫)