ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』(扶桑社文庫)

はるかな未来。機械文明は瓦解し、独自の文化のなか〈しゃべる灯心草〉と呼ばれる少年が、数奇な恋と冒険の物語を話しはじめる。(扶桑社:http://www.fusosha.co.jp/book/2008/05801.php)

なかなか読み進められず、ようやく読了。この物語を構築している設定に馴染むのがまず大変。〜系とか、いったい何?とか、ひとつの言葉がそのままの意味ではないもののようだったり。「冬」ひとつ取ってもそのまま季節の「冬」と捉えていいのか?暗喩(隠喩?)が含まれているようなんだけどそこの理解が上手くできない。難しい。少年の成長もの、恋愛ものとして考えずに読めば、基本の物語の流れは簡単なのだけど、でも大きな世界が見えてこないのがもどかしい。文明崩壊後の人間の断絶が描かれているということは判ったんだけど。ラストもその断絶のひとつに過ぎないよね?それでいて情報を求めている。それがこの「物語」。大枠は理解できるんだけどなあ。でも細かい部分が理解できない。せめてなぜそうなったのか、とかがもっと見えてこればもっと物語に乗れたんだろうけど。私の頭じゃ無理…誰か詳細な解説して〜、と言いたい。
しかし、少年時代だけの物語は天使に必要なのか?その後の生き方のほうが大事とか思う私はこの物語を読む資格なしかも…あれ?これネタばれ?

エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)

エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)