クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』(DVD)

久々にバットマン・シリーズを観ました。ティム・バートン監督『バットマン』から『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』までは逃さず見てたんですがこの作品の前作『バットマン ビギンズ』は見逃した。なんとなく前日譚なんて、と思ってて…ああ失敗しました。『バットマン ビギンズ』は観るべきでした。でもまさか、こういう作風で来るとは思ってもみなかった!!なんですかこのリアル志向は〜。いわゆるアメコミ映画ぽくない作り。すごい〜、これはなんというか、お見事としか言いようがない。映画館で観たかった。

映像が暗くて観辛いし映像の切り替えが早すぎて疲れるんだけど、でも久々にハリウッド映画で「傑作だ」と思った。なんだろ、まず脚本が非常に良い。また徹底的に役者にリアル志向の芝居をさせてるところに「現実味」があって、人の痛みがきちんと伝わってくる。ほんとに暗い物語だけど良心をまだ信じていこうという「希望」があるのがハリウッドらしい。その「救い」が甘くならないところが良いなあ。

にしても何気に豪華俳優陣だった。ゲイリー・オールドマンがマジメな役なのにも驚いた。でもこういう役も似合う。ヒース・レジャーのジョーカーは怖くて切ない。誰にでもある、でも本物の狂気、そんなものを体現してたような感じだった。バットマンとジョーカーは表裏一体なのかと感じさせた。この作品でのバットマンはヒーローじゃないんだね。ほんとにただの「人間」。

ダークナイト 特別版 [DVD]

ダークナイト 特別版 [DVD]