デボラ・クロンビー『警視の因縁』(講談社文庫)

幼子を預けたまま、妻が蒸発した。行方を探す弁護士の夫も姿を消し、後日、他殺体で発見された。女性警部補・ジェマは、遺児シャーロットの面倒を見つつ、婚約者のキンケイド警視と共に、惨劇の真相に迫る。ロンドンを舞台に解きほぐされる、奇怪な人間模様。情と血が導いた「事件」と「結婚」の意外な結末。
(講談社http://bookclub.kodansha.co.jp/title?code=1000025387)

キンケイドシリーズ13巻目。今回は人種差別、移民の問題に貧困を抜け出すことの苦労、家族の問題が絡んでくる事件となります。幼い娘を残して姿を消した夫婦のキャラクターがよくて出来れば生きていて欲しかった。ミステリとしては少し突っ込み不足な感じは受けました。今回はジュマとジュマの友人のヘイゼルや部下たちの私生活の問題などのサイドストーリに筆を割いた感がちょっと散漫になったかなと。家族の物語として読めば面白いです。

警視の因縁 (講談社文庫)

警視の因縁 (講談社文庫)