トム・フランクリン『ねじれた文字、ねじれた路』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ホラー小説を愛する内気なラリーと、野球好きで大人びたサイラス。1970年代末の米南部でふたりの少年が育んだ友情は、あるきっかけで無残に崩れ去る。それから25年後。自動車整備士となったラリーは、少女失踪事件に関与したのではないかと周囲に疑われながら、孤独に暮らす。そして、大学野球で活躍したサイラスは治安官となった。
だが、町で起きた新たな失踪事件が、すべてを変えた。過去から目を背けて生きてきたふたりの運命は、いやおうなく絡まりあう――。(早川書房http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/211851.html)

アメリカ南部の閉鎖的な田舎町に住むラリーとサイラス二人の男性が交錯する人生とそこに絡む現在と過去の少女失踪事件を描く物語。謎はありますがミステリーというよりは普通小説として読んだほうがいいかも。本を読むのが好きなラリーと運動神経がよく正義感のあるサイラスの少年時代の描写がいかにもアメリカの青春ものではあるけど秀逸。25年間の真相はあまりに悲惨でラリーの孤独の代償はどうなるのだろう…。翻訳がいまひとつなのがちょっと残念でした。

ねじれた文字、ねじれた路 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ねじれた文字、ねじれた路 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)