米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』(新潮文庫)

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。(新潮社:http://www.shinchosha.co.jp/book/128782/)

オチに拘った5編からなる短編連作集。良家の子女たちが主人公で上品な語り口で描かれる。ダークな雰囲気が乱歩ちっくで好みでした。個人的には『玉野五十鈴の誉れ』が一番好き。『北の館の罪人』は「買い物」と「色」の使い方が上手いなあと思った。

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)