コリン・ホルト・ソーヤー『老人たちの生活と推理』（創元推理文庫）

サンディエゴに佇む、至れり尽くせりの高級老人ホーム〈海の上のカムデン〉で、人畜無害の老婦人が殺された。いったい誰が、なぜ？　誇り高きアンジェラたちは、ありあまる好奇心を満足させるべく、おっかなびっくり探偵活動に乗りだす。（東京創元社：http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488203023）

タイトルそのままに老人ホームに住む老人たちの生活とホームで起こった殺人事件を追ったミステリ。ユーモアミステリのジャンルだとは思うのですが中身は色んな意味で辛辣で切ない。老いるということを真正面からみつめている書きっぷりが見事。
主人公の一人、アンジェラのキャラがまた強烈。おおよそ可愛らしいから外れてる強烈なおばあちゃん。お近づきにはなりたくないけどパワフルさには圧倒させられる。アンジェラ中心にした仲良し四人組のドタバタ劇から、真相が判明するにつれ「人」の物悲しさが物語りを覆いはじめる。想像していたものより捻りがはいって面白かったです。どうやらシリーズものらしいので違う作品も読んでみたいです。

老人たちの生活と推理 (創元推理文庫)