ジェデダイア・ベリー『探偵術マニュアル』(創元推理文庫)

雨が降り続ける名もない都市の〈探偵社〉に勤める記録員アンウィンは、ある朝急に探偵への昇格を命じられた。抗議のため上司の部屋を訪れるも、そこで彼の死体を発見してしまい、否応なく探偵として捜査を開始するはめに。だが時を同じくして都市随一の探偵が失踪、謎の女が依頼に訪れ……アンウィンは奇々怪々な事件の迷宮へと足を踏み入れる。(東京創元社http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488197544)

正統派ミステリではなくハードボイルドとSFと幻想を掛け合わせたジャンルミックスないわゆる奇妙系のヘンテコミステリです。幻想系好きな人はかなりツボに入るのではないかしら。私は幻想、奇妙系は大好きなので完全にツボ。探偵、サーカス、美女、悪夢を掛け合わせたら、という物語。もうこれだけで読みたくなる人もいるでしょう、ねっ(^_−)☆バチッ。とにかく絶妙なガジェットの使い方。
イメージ的にブラッドベリとマイケル・マーシャル・スミスが合わさったような物語とでもいいましょうか。というよりむしろテリー・ギリアム監督作品群を連想させますね。探偵社の描写なんてまさしく『未来世紀ブラジル』だし。この作品、テリー・ギリアム監督に映像化してほしいくらい。

探偵術マニュアル (創元推理文庫)

探偵術マニュアル (創元推理文庫)