フェリクス・J・パルマ『時の地図』上下(ハヤカワNV文庫)

1896年ロンドン。恋人を切り裂きジャックに惨殺され、大富豪の息子アンドリューは、失意の底にあった。彼は、西暦2000年へのタイムトラベル・ツアーを催す時間旅行社を訪ねた。時間をさかのぼり、切り裂きジャックから恋人を救おうというのだ。だが旅行社は過去には行けず、彼は小説『タイム・マシン』を発表したH・G・ウエルズの力を借りることに。一方、上流階級の娘クレアは、2000年へのタイムトラベルに参加するが……(早川書房http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/31227.html)

19世紀末ロンドンを舞台に実在の人物からめた話をスペインの作家が書いたってところが面白い。この時代のロンドンを扱って独特の陰鬱さ猥雑さがないのはそのせいか。物語構成の面白さで読ませる小説かな。題材は好きだしまあ面白かったけど作者がチトうるさいのと、物語自体も私の好みからすると色々甘いというかなんというか。 時間旅行社のタイムトラベルツアー社の2000年の設定やギリアム・マリーの話の設定の徹底したB級路線のくだらなさは大好き。

時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)

時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)

時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)

時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)