マイクル・コナリー『終決者たち』上下(講談社文庫)

ロス市警にハリー・ボッシュが戻ってきた。未解決事件を追う“クローザー=終決者”として。
3年間の私立探偵稼業を経てロス市警へ復職したボッシュ。エリート部署である未解決事件班に配属された彼は、17年前に起きた少女殺人事件の再捜査にあたる。調べを進めるうち、当時の市警上層部からの圧力で迷宮入りとなっていた事実が判明。意外な背後関係を見せる難事件にボッシュはどう立ち向かうのか。(講談社http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2758474)

この作品も傑作!私立探偵からロス市警へ警官とした復帰したボッシュが未解決事件を調べる部署で以前の部下キズミン・ライダーと共に捜査を始める。私立探偵からまた警官も戻すというビックリの展開のボッシュ・シリーズ11作目ですが、こうやって呼んでみるとボッシュには警官という職業が似合います。派手な事件はなく未解決事件を地道な捜査をするなかで解決していく今作品はまさしく正統派の警察小説。被害者家族側の心情を丁寧に拾い出した物語のラストはやるせない。このラストは賛否両論になるのではないでしょうか。気持ちとしてはわかるのだけど、それで解決はしないよなあと…個人的にはこのラストにはして欲しくなかったと思います。出来れば精神的に救われて未来へ進む道が欲しかったですね。作品全体に「哀しさ」が漂う物語でした。

終決者たち(上) (講談社文庫)

終決者たち(上) (講談社文庫)

終決者たち(下) (講談社文庫)

終決者たち(下) (講談社文庫)