ロバート・カレン『子供たちは森に消えた』(ハヤカワNF文庫)

ソ連邦を震撼させた異常連続殺人。犯人の素顔を暴く驚愕の犯罪心理ノンフィクション。

トム・ロブ・スミスチャイルド44』(新潮文庫)の元ネタになった事件を追ったノンフィクションです。8年間に50人以上もの少女少年の命を奪った殺人者、アンドレイ・チカチーロと彼を追った捜査官を中心に描いた作品です。殺された被害者たちがどういう子たちだったのかも丁寧に拾い上げているので、事件の悲惨さがなおのこと迫ってきます。また当時のソ連の時代背景が捜査を困難にしたことが克明に描かれ、読み応えがありました。しかしノンフィクションなのでフィクションを読むよりしんどいですね…。

子供たちは森に消えた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

子供たちは森に消えた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)