江戸川乱歩『芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション2』(角川文庫)

両手両足を失い、話すことも聞くこともできない帰還軍人の夫。時子は一見献身的に支えながら、実は無力な生き物扱いをし楽しんでいた、ある日時子の感情が爆発し……。(角川書店http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200801000425)

表題作『芋虫』が凄まじい。なんというか…エロい。そのエロさはある意味グロいんだけど強烈。主人公夫婦の閉塞感が伝わってくる。最初がインパクトありすぎて他の作品の印象が少々薄くなったけど幻想・怪奇系の短編としてレベルは高い。色彩感覚が独特。
収録作品:「芋虫」「指」「火星の運河」「白昼夢」「踊る一寸法師」「夢遊病者の死」「双生児―ある死刑囚が教誨師にうちあけた話」「赤い部屋」「人でなしの恋」