D・M・ディヴァイン『悪魔はすぐそこに』(創元推理文庫)

ハードゲート大学の数学講師ピーターは、横領容疑で免職の危機にある亡父の友人ハクストンに助力を乞われた。だが審問の場でハクストンは、教授たちに脅迫めいた言葉を吐いたのち変死する。次いで図書館で殺人が起き、名誉学長暗殺を仄めかす手紙が舞い込む。相次ぐ事件は、ピーターの父を死に追いやった8年前の醜聞が原因なのか。(東京創元社http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=3754)

『ウォリス家の殺人』(感想)が面白かったのでこちらを手に取ってみました。1966年の作品ですが『ウォリス家の殺人』同様にやはり古さを感じさせない作風です。今現在の作品と言われても納得しそう。本格ミステリとしてかなり技巧を凝らしているのですが、その凝らし方が自然です。ストーリーの組み立て方が上手いんでしょうね。さすがに「えええっ、この人が犯人?」という驚きはないものの、すっかり騙されました。大学が舞台で教授や職員たちの生態が描かれているのですがこれがいちいちキャラ立ちしてて楽しいかったです。映像化したら面白そうだな。

悪魔はすぐそこに (創元推理文庫)

悪魔はすぐそこに (創元推理文庫)