消えゆく老獅子

歌舞伎座、夜の部千穐楽に行きました。千穐楽を観られて本当に良かった。


高麗屋の『連獅子』、素晴らしかったです。幸四郎さんは「消えゆく老獅子」でした。すべてを子へと渡す、その最後、と言わんばかりの全身全霊を賭けた渾身の気迫の親獅子でした。本当に『連獅子』の親獅子としての最後の踊りだったんだと思います。万感の思いが最後の顔に表れていました。そして染五郎さんもそれをしっかり受け止めていました。子として、親の想いを飲み込んでいました。仔獅子の愛らしさは残していましたが、今回、子としての甘えはいっさい見せませんでした。次から「親獅子」としての立場に立つことへの覚悟と消えゆく老獅子への敬愛がありました。この親子の獅子はまさしく霊獣たる獅子の勇壮さがあるのですが、今日は特にそれを感じました。


演奏の方々も凄い気迫でした。皆が消えゆく老獅子の幸四郎さんのために集中していった感じを受けました。獅子が出る直前の牡丹の雫の音に被さる咆哮は(小鼓の傳左衛門の掛け声)は今月、仔獅子を意識したものに感じていたのですが今日は親獅子の咆哮だったかなとか。


助六』もすごく良かったです。団十郎さん、ベストな状態とまではいかなかったけど意地を見せてくださいました。それから福助さんがとってもとっても良かったです。梅玉さんはやっぱり可愛い。詳細感想後日。まだまだ書きます!