デニス・レヘイン『闇よ、我が手を取りたまえ』(角川文庫)

私立探偵、パトリック&アンジーものの二作目。一作目の『スコッチに涙を託して』 が面白かったので期待していたが、やはり面白い。一応、ハードボイルドの範疇なのだろうけど、二作目の作品はサスペンスミステリといったほうが良いくらいに物語が転がっていく。人間の暴力、狂気の伝播というものに踏み込みながらも感情におぼれずに描ききる。かといって冷徹なまなざしというわけではない絶妙のバランス。キャラクター造詣が少々一面的かな?という部分はあれど、かなりクオリティの高い探偵小説です。

闇よ、我が手を取りたまえ (角川文庫)

闇よ、我が手を取りたまえ (角川文庫)