『若冲と江戸絵画』展と法隆寺宝物館

思い立ったが吉日、ということで会社を休んで東京国立博物館『プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展』を観に行きました。プライス氏の600点以上もの江戸絵画のコレクションのなかから選りすぐった106点が展示されています。思った以上に素晴らしく充実した展覧会。江戸時代の絵師の色彩感覚やデザイン感覚にちょっと圧倒されてしまいました。ほんと凄い。大胆な色使い、構図、筆使い、そして生き生きとした対象物。日本画ってこんなに幅広い感覚のものだったのかと驚きました。


鈴木其一、酒井抱一円山応挙長沢芦雪、曽我蕭白など素敵な絵ばかりが並んでいます。それでもやはり伊藤若冲の絵が一際印象深いです。今回の目玉作品の『鳥獣花木図屏風』のポップさはいったい…。見ててとにかく楽しすぎます。桝目描きという技法の細かさにはとにかく圧倒させられました。とても密な書き込みをする絵師なのかと思えばさにあらず。『鶴図屏風』や『花鳥人物図屏風』などの水墨画での簡略化された描写の見事さにも感嘆しきり。それにしてもこれが個人蔵ということにビックリします。しかもこの素晴らしい日本画が全部アメリカにあるということに、ちょっと複雑な気分。今回の展覧会では展示に工夫があり、最後のコーナーで特別展示室が設けられ「光と絵画の表情」と題し、照明を変化させながら絵画を見せる試みがあった。ガラス越しではないということだけでも感激だったんですが、光の当て方によって絵の表情とどんどん変化していく様を観て大感動。光の具合でここまで絵の表情が変わるとは思ってもみませんでした。これは見ごたえありました。事前にららさんからまずはこちらのコーナーを先に観てからというアドバイスを貰っていたので、まず最初にこの部屋に直行したのですが、大正解でした。ここは疲れてない時にじっくり見るべき展示ですよ。


本当に楽しい展覧会でした。私は朝早い時間に入ったのですが、平日だというのに混んでいました。行きたい方は今のうち早めに行かれたほうがいいかもしれません。


若冲と江戸絵画』展を堪能した後は疲れたのと腰痛も若干ぶりかえしてきたので無理せず同じ敷地内にある法隆寺宝物館1階の「ホテルオークラ ガーデンテラス」でランチ。席数が少ないのでちょっと並ぶけどわりと美味しいしなかなか良いかも。ランチを食べて気力が戻ったのでせっかくだからと法隆寺宝物館の展示物も鑑賞。地味だろうなと思ってたけど観てみたら案外面白かった。今度じっくり観てみよう。