前のめり

最近、観劇に対して前のめりになりすぎてるような気がしてきた。もっと大らかに楽しめないものか?とちょっと思ったり。私の一番の基本の趣味は「観劇」ではなく「読書」だ。最近はかなり読書より観劇にのめり込んではいるものの、今、「あなたの趣味は?」と問われたら迷わず「読書」と答える。そして「観劇」にどうやら自分の読書スタイルを持ち込んでしまっているようだ。私は読書をするときにはその本の物語構成の妙や人物描写の深み広がり、そんなものを自分なりに深読みして読み解いていく。そうすることが大好き。でもそのスタンスをそのまますべて「観劇」に向けるのはかえって自分のなかでの感性を狭めてしまうことにならないかなとちょっと思ったり…。


なんてことを書いているのは昨日、朝日夕刊で連載している三谷幸喜氏のコラム『ありふれた生活』を読んだから。「底知れぬ歌舞伎役者のパワー」と題しパルコ歌舞伎に主演する染五郎という役者のことを書いている。そのなかで

「歌舞伎を観るということは、歌舞伎役者を観るということではないか。 そう考えた時、染五郎さんが「歌舞伎役者が出ていれば歌舞伎なんです」という言葉の真の意味が、初めて分かったような気がした。」


と三谷氏は書く。それを読んで、そうか、私はパルコ劇場に染ちゃんを観に行けばいいんだと思ったのだ。私は今までパルコ劇場に染ちゃん演じる安兵衛を観に行っていた。だからその安兵衛という人物描写が描きこまれていないことに不満だった。でも活き活きと楽しそうに演じる染ちゃんを観に行くのだったらどうだろう?ちょっと違ったものが見えてくるかもしれない。まあ、私の性分だからそんなには割り切れないとは思うけど、でも楽しみ方を少し変えて観て見ようと思う。実はパルコ歌舞伎はあと2回観に行くのであった(笑)


そして、なんとなくそろそろ歌舞伎観劇を絞っていこうかなんてことを思い始めている。たぶん、そんなには減らない気もするけどね。