ジャスパー・フォード『文学刑事サーズデイ・ネクスト1 ジェイン・エアを探せ』(ヴィレッジ・ブックス)

これは楽しい!まずこの物語世界の設定がいい。1985年パラレルワールドのイギリスが舞台。クリミア戦争が延々と続いているこの世界ではタイムトラベルの技術や遺伝子操作技術が進んでいる一方で、超能力や狼人間、ドラキュラ等も共存している。そして人々の娯楽は「文学」。主人公のサーズデイは「文学」に関する犯罪を取り締まる「文学刑事局(リテラテック)」の刑事。そして極悪人としてリストの三番目の載っている悪党が小説のなかに入れる機械を強奪し有名小説の登場人物を殺しヒロインを誘拐する事件に関わっていく。


かなりトンデモ系のこの物語、本好きにはたまらない設定を繰り出してきます。ある程度、古典文学を読んでいないと楽しめない部分がありますが本好き、ファンタジィー好きはぜひ手にとってください。でもせめて『ジェイン・エア』だけは読んでからのほうが10倍楽しめます。さすがちょっと毛色の変わった本を探してくるのが得意なヴィレッジ・ブックス。私的に大当たり〜。