ミネット・ウォルターズ『養鶏場の殺人/火口箱』(創元推理文庫)

ミネット・ウォルターズ『養鶏場の殺人/火口箱』読了。あまり本を読まない人、ミステリを読まない人向けに「読みやすく」書かれた作品ということでウォルターズにしては読むやすい設定。とはいえ人の救いがたい暗部の感情を緻密に描き出す手法は健在。中編だけに語り口の巧さが際立つ。負の感情がストレートにくるので読んであとぐったり。ウォルターズは体調がいい時に読まないと精神的にくるけど、今回少々きた…(^^;)。『火口箱』はかなり技巧的な本格ものでもある。『遮断地区』に繋がる作品というのもありありと。