チャイナ・ ミエヴィル『ペルディード・ストリート・ステーション』上下(ハヤカワSF文庫)

前半、なかなか読む進めるのが大変だったけど後半になってからは一気。パルプノワール的SF系ファンタジィーってところかな。世界観はすーごく好きだけど後半の物語の流れは好みじゃないかな。前半あれだけ書き込んでおいてキャラの動かし方ちょっと雑だし。対立構造が複数あるんだけど、結局はモスラ対の部分だけというか。アクション中心になっちゃったのが物足りない。クリチャーもの好きにはあれでも十分楽しいんだけど。蜘蛛、いいキャラだし。でももう少し回収して欲しかったかも。ただ、安易な結末じゃないのは余韻が残る。でもヤガレクの決断は蛇足。そんな俗な罪だったのかのガックリ感もあるしな。魅力的なキャラは多かった。主人公が一番普通だった。

前半重要だったヒロインキャラの扱いが後半ひどかった。いきなりただの脇だわ、しかもあるまじき扱いだわ。私、後半はあのモスラの眩惑に対して感覚の部分で活躍してくれるのかと思ってました。どうしてヒロインが後半はそっちになる?的な。こういう扱いなら前半の描きこみいらんだろう…。

ペルディード・ストリート・ステーション (上) (ハヤカワ文庫 SF ミ)

ペルディード・ストリート・ステーション (上) (ハヤカワ文庫 SF ミ)

ペルディード・ストリート・ステーション (下) (ハヤカワ文庫 SF ミ)

ペルディード・ストリート・ステーション (下) (ハヤカワ文庫 SF ミ)