ヨハン・テオリン『冬の灯台が語るとき』(ハヤカワポケットミステリ)

スウェーデンエーランド島に移住し、双子の灯台を望む「ウナギ岬」の屋敷に住みはじめたヨアキムと妻、そして二人の子供。しかし間もなく、一家に不幸が訪れる。悲嘆に沈むヨアキムに、屋敷に起きる異変が追い打ちをかける。無人の部屋で聞こえるささやき。子供が呼びかける影。何者かの気配がする納屋……そして死者が現世に戻ってくると言われるクリスマス、猛吹雪で孤立した屋敷を歓迎されざる客たちが訪れる。(早川書房http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/211856.html)

エーランド島シリーズ第一作『黄昏に眠る秋』が面白く、また雰囲気が私好みだったので第二作目も手に取りました。凍てつく寒さを感じさせる北欧ミステリ。静謐でしみじみとした味わい。淡々と描かれているようでその静かなる描写のなかに熱き感情が描かれている。そのバランスが好み。ゴシックホラー風味もあり余韻が残る。
ヨハン・テオリンの作品はいわゆるイギリスミステリ系が好きな人は好きだと思う。『冬の灯台が語るとき』はキャロル オコンネル『クリマスに少女は還る』が好きな人にもオススメ。そういう部分では境界線の曖昧さを受け入れられない方はダメかも。

黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)