市川染五郎『染五郎の超訳的歌舞伎』(小学館)

歌舞伎舞台は役者次第! 同じ演目でも役者によって見せ方が違うのも、また歌舞伎の魅力です。その役者が舞台の息づかいそのままに歌舞伎の魅力を舞台の内側から書き下ろしました。
 “あまのじゃく”と“ひねくれ”がほんの少し入った、妄想好きな染五郎厳選の25演目が勢ぞろい。歌舞伎とは縁がなかったという方にもわかりやすく、あらすじも交えて解説しています。(小学館http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093882897)

染五郎さんが『本の窓』で連載していたものを加筆しまとめた本。歌舞伎演目の内容を解説した本ですがかなり面白い切り口。それぞれの演目のストーリーを今の観客にわかりやすく現代風に解説。そのうえで染五郎さん自身の解釈や見どころ、役を演じるうえでのことなどが丁寧に書かれています。染五郎さん自身が妄想好きと言うだけあって古典の解釈の広げ方も鋭かったりユニークだったり。
歌舞伎初心者でも十分興味を惹かれるのではないかと思います。また上級者でも自分の歌舞伎の見方と引き比べる面白さがあると思います。こういう解説本は今までなかったと思います。幅の広い層に読んでもらえる歌舞伎解説本かと。贔屓目なしでこれはオススメ。

染五郎の超訳的歌舞伎

染五郎の超訳的歌舞伎