ジョージ・R・R・マーティン『星の光、いまは遠く』上下(ハヤカワSF文庫)

あまりに遠大な公転軌道を有するため、あたかも銀河を彷徨っているかに見える辺境惑星ワーローンに、ひとりの男が降り立った。ダーク・トラリアンは、かつての恋人グウェン・デルヴァノから送られた〈囁きの宝石〉に呼ばれ、この惑星にやって来たのだった。再会を喜ぶダークだったが、グウェンは思いもよらない事実を彼に告げる。自分はもはや自分だけのものではないのだと……。(早川書房http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/11813.html)

ジョージ・R・R・マーティン、初の長編作品。その後の作品が小説として上手いだけにこの作品は若書きだなという印象。題材へのイメージ喚起はなかなかいいのだけど全体的に散漫。主人公になるダークとその元恋人グウェンに魅力があまりないし。脇のキャラクターの造詣のほうは面白かった。単なる善悪の落とさないところがいい。