西川美和監督『夢売るふたり』

夢売るふたり

西川美和監督『夢売るふたり』を観ました。思っていたより長かった〜〜。腰が痛くなってしまったわ…。
この作品、好き嫌いがハッキリ出そうなタイプの映画かなあ。私は前半はかなり面白く観たんだけど後半ちょっとダレたかな。エピソードを細かく入れすぎてテンポが緩んだような。あとラストの事件がちょっとね〜。子供ってとこが引っかかる。
松たか子ちゃんとサダヲちゃんありきの映画だったかな。この二人だからこそ「映画」として成り立ってるって感じだった。終盤に向かってのたか子ちゃんの表情がちょっと凄かったわ。自分の闇をみつめてる目だよ、あれ。サダヲちゃんはキャラクターが存分に活かされてて魅力的。
主人公の里子ってキャラはわかりにくい。でも愛情と憎悪、強さと脆さ、美しさと醜さ、そんなものが同等に身体のなかに入ってる女だなって思った。それをたか子ちゃんが見事に表現してて怖かった。それにしても女性監督だからか女優さんのキャスティングがお見事でした。知らない女優さんも多数いたんだけど役に対して説得力ありすぎ。ウェイトリフティングの人、本職かと思ってました…ちゃんと女優さんなんですよね。風俗嬢?の女優さんもリアル感がすごかった…。たか子ちゃんの光のない真っ黒な瞳には鳥肌が。「面白い!」って映画じゃないんですがもやっとちょっと後を引きずる感じの映画でした。