マイクル・コナリー『真鍮の評決 リンカーン弁護士』上下(講談社文庫)

丸一年、わたしには一人の依頼人もいなかった。だが妻とその愛人の射殺容疑で逮捕されたハリウッド映画制作会社オーナーは弁護を引き受けてほしいという。証拠は十分、アリバイは不十分。しかも刑事がわたしをつけまわす。(講談社http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2771241

ミッキー・ハラーシリーズ第二弾です。前作が面白かったのでそのまま第二作目を手に取りました。
重傷を負い1年間も仕事をしていなかったハラーだったが友人だった弁護士ジェリー・ヴィンセントが殺され、その業務を引き継いつぎ活動を再開。ジェリー・ヴィンセントが請負っていた仕事のなかには勝訴すれば莫大な報奨金が約束されるハリウッド映画制作会社オーナーの弁護もあった。
今回はボッシュとの共演、面白くならないわけはない。アメリカの司法のリアルな状況と「正義とはなにか」という部分を逸らさずに描いていてかなり面白かったです。二転三転させる物語も構成が緻密なので読み応えがあります。刑事であるボッシュと弁護士であるハラーが合わせ鏡のように描かれるのも上手いです。二人の関係はわりと早くにわかりましたがボッシュシリーズを読み込んでいる人ならすぐにわかるかも。

真鍮の評決 リンカーン弁護士 (上) (講談社文庫)

真鍮の評決 リンカーン弁護士 (上) (講談社文庫)

真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下) (講談社文庫)

真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下) (講談社文庫)