パトリシア・A・マキリップ『冬の薔薇』(創元推理文庫FT)

ロイズは風変わりな少女だった。人には見えないものを視る目をもち、森を気ままにさまよい歩く。ある日彼女は泉のほとりで、光の中からひとりの若者が歩み出てくるのを見た。彼の名はコルベット、廃墟となっていたリン屋敷の跡取りだという。だがそこは呪われてると噂されるいわくつきの屋敷。ロイズは魅了されたかのように呪いの正体を探るが……。(東京創元社http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488520106)

以前読んでたときにそれほどツボに入らず一回読んだきり。すっかり忘れていた作品ですが続編という『夏至の森』を読むために再読です。タム・リンの伝承されてきた物語を元にしたということで物語の枠組みから離れられなかったのかマキリップにしてはわりとあっさりとした作品。個人的にはやはりまあまあって感じでした。ただ以前はわからなかった、昔ながらの妖精譚をうまく再構築した物語としての構成の面白さは感じました。

冬の薔薇 (創元推理文庫)

冬の薔薇 (創元推理文庫)