ガイ・バード『ソフィー』(創元推理文庫)

イギリスの田舎町。病弱なマシューは、優しく利発な姉に守られ、幸せな少年時代を過ごした。秘密の隠れ処、化石探し、暗号の日記、子供に干渉しない両親、高い知能を隠す姉、死。そして今、二人は昏い密室で語り合う……。過去と現在が交錯する中で明かされる〈真実〉とは。(東京創元社http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488102029)

ミステリというジャンルに入っているけど純文学系に近い。姉と弟の幼い日々は郷愁のなかに切なさと怖さが宿る。これは漫然と読んでいると途中で物語を逃してしまう。最初、読了後、ラストいったい何がおきたのかがよくわからなくて途中読み返した(^^;)。後からじわじわ来る怖い小説。色々と背景が曖昧にされたままで、その投げ出された部分にモヤモヤは残るけど、ソフィーの物語は一つじゃないということなのかも。面白いです。コクトー恐るべき子供たち』の系譜。

ソフィー (創元推理文庫)

ソフィー (創元推理文庫)