最近の翻訳ミステリについて雑感

最近、読書は遅々として進まずですが、それでも翻訳ミステリ中心に少しづつ読んでいます。シリーズものですが最近はピーター・ロビンスン『余波』(講談社文庫)、デボラ・クロンビー『警視の孤独』(講談社文庫) 、P・D・ジェイムズ『秘密』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)を続けて読みました。この3冊はシリーズものなのでオススメしずらいところもあるんだけど、3冊とも佳作。特にピーター・ロビンスン『余波』はかなりオススメです。

この3冊には共通点があります。幼児虐待、家庭内暴力が人をどう形作っていくのか、というところが描かれています。ピーター・ロビンスンはそこを真正面から描いています。娯楽本でここまで描く必要があるのか?という評も読みましたが、それだけ身近な問題なんだということだと思います。翻訳ミステリを読んでいると、ミステリにも時代の流行があります。少し前だと「第二次大戦」がどういうものであったか、そこにまつわる人々を描いたミステリが多かったです。今は「DV」をどう描くかというところがある意味流行なのかなと。翻訳ものですから日本に入ってくるのにはタイムラグがありますので2〜3年前の海外ミステリの主題の流行、ということになりますかしら。