ジム・ケリー『水時計』(創元推理文庫)

11月、イギリス東部の町イーリーで氷結した川から車が引き揚げられた。トランクの中には銃で撃たれた上、首を折られた死体が入っていた。犯人はなぜこれほど念入りな殺し方をしたのか? さらに翌日、大聖堂の屋根の上で白骨死体が見つかり、敏腕記者のドライデンは調査をはじめるが──。(東京創元者:http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488278052

ジム・ケリーは2003年に『水時計』でデビューした新人ミステリ作家とのこと。確かに文章が手馴れておらず構成も甘く冗長な部分もありいかにも新人作家の作品かも。読んでてちょっとたるい感じ。ただ、いかにもイギリス発のミステリだなという、都市イーリーの沼沢地帯という舞台設定や題材には面白みを感じました。また植物状態の奥さんを抱えている主人の新聞記者ドライデンのトラウマを背負った人物造詣がなかなか上手い。今のとこ、これぞという感じではありませんが2006年にこのシリーズ物の作品で英国推理作家協会(CWA)図書館賞を受賞しているそうなので、その作品を読んでみたいです。

水時計 (創元推理文庫)

水時計 (創元推理文庫)