ケン・フォレット『大聖堂』全3巻(SB文庫)

いつかこの手で大聖堂を建てたい―果てしない夢を抱き、放浪を続ける建築職人のトム。やがて彼は、キングズブリッジ修道院分院長のフィリップと出会う。かつて隆盛を誇ったその大聖堂は、大掛かりな修復を必要としていた。折りしも、国王が逝去し、内乱の危機が!十二世紀のイングランドを舞台に、幾多の人々が華麗に織りなす波瀾万丈、壮大な物語。

図書館からの借り本。予約がいっぱいで上中下の三巻一気に借りられず、一冊づつ間をおきながらの読書でした。いったいどうなるの〜、の後引きが強く、ようやく最終巻が読めて良かったです。1800pという長編ですがとにかくリーダビリティが高い。登場人物たちは皆アクが強く、個人的に感情移入できるキャラはいなかったんですが、それでも物語に読み進めずにはいられない吸引力がありました。12世紀イングランドを舞台に大聖堂建設を核としてそれにまつわる人々の半世紀にわたる歴史小説。情景を密に積み重ねていく文章は非常に映像的もあり映画にしたら面白そう。続編『大聖堂―果てしなき世界』も読みたい。