マイケル・マーシャル『惨影』(ヴィレッジブックス)

謎の殺戮組織〈ストローマン〉――その幹部だった双子の兄弟ポールの逮捕から五カ月、元CIAのウォードは、怪我を負ったFBIの女性捜査官ニーナと共にワシントン州の山奥に潜伏していた。仲間の元刑事ザントは消息をたったままだ。そんなとき、護送中にポールが脱走したことが知らされる。さらに猟奇殺人が発生、ニーナは復職し、ウォードもまた独自の捜査でポールの行方を追うが――。一方、カルフォルニアサンタバーバラ。組織は富裕層の麻薬ディーラーの若者を集めて、かつてない計画を画策していた。(ビレッジブックス:http://www.villagebooks.co.jp/books-list/detail/978-4-86332-167-0.html

『死影』『孤影』につづくシリーズ第三弾、完結篇です。とりあえず完結篇まで読めて良かった。でも巻を追うごとにこの作家らしい面白さが減っていった感はあり…。マイケル・マーシャルらしい大法螺が物語にうまくリンクしてないというか、基本筋が普通のミステリというかサスペンスにこじんまり落ち着いているのに、無理矢理、いつもの?大法螺を組み込んでみましたって感じですね。どうせならSFホラー系の方向に思いっきりスケール大きくやって欲しかったなあ。さもなくば、ミステリの枠で綺麗に落とし前つけるとか。なんとなく中途半端。とはいえマイケル・マーシャルの歪んだ世界や人の描き方は好きなのでこれからも追いかけていく作家には間違いないです。

惨影 (ヴィレッジブックス)

惨影 (ヴィレッジブックス)