東京都現代美術館『メアリー・ブレア展』

snowtree-yuki2009-08-05

東京都現代美術館(MOT)に『メアリー・ブレア展』を観に行きました。メアリー・ブレアと聞いてすぐにわかる人はよほどのアニメ好きというかコアなディズニーアニメ好きでしょう。 私がメアリー・ブレアを認識したのは2006年にMOTで開催された『ディズニ−・アート展』で。『ディズニ−・アート展』ではナイン・オールド・メンの方々の原画の線の素晴らしさに感動したと共にコンセプトアートを担当したした方々の絵の素晴らしさにも感嘆したのだけど、そのなかの一人がメアリー・ブレアメアリー・ブレアの絵はとにかく色が綺麗で、そして女の子心をくすぐるなんとも可愛い絵が多いんです。私は『ディズニ−・アート展』で不思議な国のアリスのコンセプトアートの1枚にノックアウトされました。可愛いのなんのって。この絵は今回は残念ながら出品されていませんでした。それが唯一残念だったけど、思っていた以上にとても素敵な展覧会だった。もう1度行ってもいいかなと思うほど。

アニメの元になった絵なんて、と思う人もいると思いますが、実際に観てみるとわかりますが1枚、1枚がきちんと作品として観られます。それだけクオリティが高いです。色の魔術師といわれた、その色遣いや、表情豊かな描写やら構図の見事さやら、デザイン性の高さやら、とても惹き込まれます。 メアリー・ブレアは元々、水彩画家として才能を開花させた人。それからアニメーションの世界に入り、コセンプトアーティスト、カラー・スタイリストとして活躍、その後、絵本の挿絵や広告デザインの世界でも活躍した人だったというのを今回初めて知りました。年代別に展示されメアリーのアーティストとしての変遷がよくわかると共にその時代のアメリカのアートシーンの一端もわかるようになっていました。


*art-indexの展覧会紹介が公式サイトより詳しいです。
http://www.art-index.net/art_exhibitions/2009/07/post_501.html


それにしてもメアリー・ブレアの描く絵のなかで一番の魅力的なのは子供たちの絵かな。思わず、クスクスと笑ってしまう、時には涙ぐみそうになる、そんな絵たちなんです。お茶目だったり、無垢だったり。あ、でもそれだけじゃないなあ、なんだろ、情景だけでなくそのなかに様々な感情がさりげなく伝わってくるんです。もうね、可愛いにもほどがある。BABYバレエとか、色んな人に観て欲しいなあ、とにかく観て欲しいなあ〜って思った。そして、ただ明るいだけの絵の人ではないなと感じました。時々、ドキッとするほど何か寂しさというかそういうものが表に現れている絵がありました。可愛い絵とは裏腹なマグマを抱えた人だったんじゃないかなあ。