TV:ETV特集『弁慶の復活〜中村富十郎父子 勧進帳に挑む〜』

5月27日に行われた自主公演『矢車会』の舞台裏に密着したドキュメンテリー。富十郎さん、鷹之資くん父子の『勧進帳』に絞ってのドキュメンテリーでした。どうせなら父子『連獅子』もちょっと見たかったな。富十郎さんの「山頂にまだ山あり、まだまだ登ります。登れる山をね、無理して遭難しちゃうといけないから」という茶目っ気の入った言葉がらしいなあと。一生涯勉強なんですね。この番組で印象的だったのが富十郎さんのご友人の能楽人間国宝、片山九郎右衛門さんが色々と協力し、膝や腰の悪い富十郎さんのために軽い衣装を見繕い着付けもご本人がされたという場面。一流の人は一流を知るということなのでしょうね。
また四天王を引き受けた若手役者の染五郎さん、松緑さんが彼らの御曹司という立場だからこそ出来たのかもしれませんが、舞台稽古中、富十郎さんにきちんと意見を言い、また鷹之資くんのことをフォローしている姿に感心しました。歌舞伎はこうやって続いてきたんだなあと、頼もしく思いました。お父さんを労う父想いの鷹之資くん、いい役者さんになりますように。