『さよなら公演 六月大歌舞伎』を観ての雑感

今月は昼夜観てどちらもとても面白かったんだけど、色々感慨も。仁左衛門さんの一世一代とか金太郎くんの初舞台とは別な部分での感慨。それは脇筋の役者さんが足りないなあってこと。幸四郎さん、仁左衛門さん、吉右衛門さんに伍する老けの役者が足りない。今まで活躍してきた役者さんたち、特に脇筋の方々が高年齢化し舞台に立てなくなってきたのが大きい。次がいきなり若くなってしまい幹部連中の世代が意外に脇筋が手薄のような気がする。若い世代も今後うまく育たないと結局は染五郎さんたち世代が中心になる時にどうか?という問題もあるけど、それはまず置いておいても、今後幹部連中が今月の与兵衛や新三のように若い役をやる時に説得力を持たせるだけの脇をやれる人材が少ないよなあ…。あと幹部が脇で付き合うという部分も最近少ない気がするし、もっと良い芝居をってとこ考えてほしいなあとか。


私が初見の芝居にかなり思い入れしてて、今回一世一代にどうしてもハマりきれなかった『女殺油地獄』。私が初見で観た時の役者陣を改めて今回の筋書きで確認してみた。凄い面子揃いだった。これだもん、そりゃ私のなかで今回太刀打ちできるわけないわ。若い時の感性で観て強烈だったのも大きいだろうし。ちなみに私が観たのは20年前の孝夫時代の『女殺油地獄』でした。ちょうど孝・玉『桜姫』を観て歌舞伎にハマっていった時代だ。懐かしい。今更ながらこの頃観ていた役者の名前を確認すると驚く。この人たちの名前をきちんと認識しないで見てたその当時の私にもっと役者たちを意識して観ておけと言いたいよ…。