ジェフリー・ディーヴァー『ウォッチメイカー』(文藝春秋)

現場に時計を残してゆく殺人鬼ウォッチメイカー。目撃証言から犯人が購入した時計は10個と判明。全部で10人の人間が殺害されるのだ。次は誰が、いつ? 鑑識の天才ライムの頭脳が殺人鬼を追うが――。(文藝春秋http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/26/33/9784163263304.shtml)

リンカーン・ライムシリーズ第7作目。3作目でそろそろ大味になってきたなと思ったんですが…案の定といいますか、読者を驚かせようとしすぎてやりすぎ感が漂う。ミステリとしてかなり緻密には作ってあるし、意外性たっぷりで吸引力はあるし面白いには面白い。ストーリーテラーだなと唸らされるだけど、なにか物足りない。警察官の汚職事件など題材は良いのに掘り下げが少なくて表面的。いかにも続くな犯人像もどうなんだろう。ここまで緻密にどんでん返しがあるのを楽しめばいいんでしょうけどねえ。私がミステリ読みとしてスレちゃってるのかもしれない…。

ウォッチメイカー

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