ウォン・カーウァイ監督『花様年華』(DVD)

なんとなく気分的にだる〜な感じだったので、そんな気分にもしかしたらピッタリかも?なウォン・カーウァイ監督『花様年華』を観ました。想像通りほんとにアンニュイな雰囲気の映画で思わず浸って観てしまいました。とにかく映像の色彩がツボ、好み。独特の赤とブルーを基調にした色使いが素敵。 またクラシックなチャイナドレスを愛でるだけでも価値ありと聞いていましたが、本当にそうでした!マギー・チャンのお着替えなんて30回くらい?1着1着、うっとりするようなドレスばかり。ハイカラーだしスタイルがよくないと着こなせないよね、あれ。着てみたいけど私には絶対無理だ…。

内容はいわゆるロマンス映画かな。60年代香港のノスタルジックな道具立てを楽しむ映画。同じ日に引っ越して隣同士になったチャウとチャン夫人。お互いの妻と夫が不倫しているのを知り、慰めあううちに急速に親しくなっていった、男(チャウ)と女(チャン夫人)の物語。惹かれあっているのを感じているのに第一線を越えようとしない関係がかえって妙にエロチック。うじうじ加減がまどろっこしかったりするけど、その距離感を描くだけの映画だし、うまくその流れに乗れればまったり楽しく観れる。男と女の視点だけに絞って構成されているのでお互いの妻と夫の姿が出てこないのもいい感じ。

最終的に一線は越えちゃってるよね?それでも決心を付ききれず、別れを選ぶ二人って流れだよね?そこら辺、映画はわざと曖昧に描いているので観る側が判断しろってことかな。ラストのカンボジアの意味だけはまったくわからず。チェン夫人は結局旦那と別れてるよね?あの子供は実はチャウの子って雰囲気だったけど。深読み?にしてもトニー・レオンは切ない男が似合う。

花様年華 [DVD]

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