ルイス・フェルナンド・ヴェリッシモ『ボルヘスと不死のオランウータン』(扶桑社文庫)

E・A・ポーの研究学会で密室殺人発生。ダイイング・メッセージをめぐり、史上最強の安楽椅子探偵ボルヘスが、カバラからクトゥルー神話まで論じたおす……文芸ミステリー。(扶桑社:http://www.fusosha.co.jp/book/2008/05696.php)

物語設定に惹かれて手に取りました。ちなみにボルヘスは読んだことありません。作品的にポーをある程度押さえておけばなんとかなる感じが個人的にはしましたが、ボルヘス読んでおいたほうがなお一層楽しめるんでしょうね、たぶん。
で、ミステリとしては、たぶんミステリ好きならほぼ最初のほうで流れは読めます。あまりに私が「こうくるだろう」と先読みしたまんまの流れで結末に到った時には反対に驚きました(笑)ある意味、捻りなさすぎ。もう少し隠してくれてもいいのに。ま、ボルヘスに語らせるためにミステリ構造を借りただけって感じですかね。でも読んでて、とても楽しかったです。推理談義というか文学談義というか、趣味の話をあれこれ拝聴している感じ。ページ数が175Pというのも談義がうるさすぎず、ちょうどよかった。

ボルヘスと不死のオランウータン (扶桑社ミステリー ウ 31-1)

ボルヘスと不死のオランウータン (扶桑社ミステリー ウ 31-1)