J・K・ローリング『ハリー・ポッターと死の秘宝』上下(静山社)

セブルス〜(涙)。私にとってハリー・ポッターシリーズを読み続ける原動力、それは裏の主役セブルス・スネイプ。スネイプというキャラクターがいたから読み続けたようなもん。もう少し救われて欲しかった気もするけど想像通りのキャラに描いてくれてありがとうってローリングさんには言いたい。それとダンブルドア聖人君主ではなく善悪ひっくるめたただ一人の愚かさもある人間だったり、印象の悪かったキャラが実は違っていたり、そういう部分を曲がりなりにも描いてくれた、という部分でこのファンタジィーを私は評価する。

ハリーに結局感情移入できないままだったり、そこを細かく描くんならもっと脇役をフォローしろよだったり、むやみに人が死にすぎだったり、戦いのシーンが相変わらずどうにもヘタだったり、スリザリンが結局のところただの敵役の組で終わったり、エピローグはあえていらなかったかなだったり、突っ込みどころは多すぎるけど、でもきちんと複線を回収して終わらせたんだから、このさい文句は言いません。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)