La La La Human Steps『Amjad』

彩の国さいたま芸術劇場にラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップスの『Amjad アムジャッド』を観に行きました。コンテンポラリーダンスもすっかり観劇範疇に入っている私です。ピナ・バウシュヤン・ファーブルのダンスを観た時は演劇に近いものがあり彼らの「想い」どーんと伝わってくる感じがあったのですが今回は思想性というよりは極限の身体性を提示してくる感じ。肉体そのものから発する言語を受け止めろ、って感じ。反射的な感覚で観るしかない。まさにダンス、ダンス。観ていて筋肉が痛くなってきた(笑)脳より体が反応してしまう感じでした。あまりの速さ、極限で精密な動き。時々、ダンサーが人形に見えてきたり。2倍速だか3倍速で観ているような『白鳥の湖』のパ・ド・ドゥーにはすでに物語は無い、ただ動きがあるだけ。照明の効果で腕の軌跡が残像のように残る。意味を見つけようとしてもサラサラと指から零れ落ちてしまう。だけどどこか印象的。ジェンダーの意識がありそうでどこにも無い。女性性、男性性、あるのに無い。その不思議。ひとつの未来像か。ひどく安定感のある世界観だった。