乱歩が歌舞伎に 幸四郎&染五郎コンビで 小説「人間豹」

中日スポーツに国立大劇場の11月公演『江戸宵闇妖鉤爪』の記事が載りました。旧江戸川乱歩邸で幸四郎さん、染五郎さん親子がインタビューを受けたようです。今後、他のメディアにも出るかな?写真がかなり素敵です。

乱歩が歌舞伎に 幸四郎染五郎コンビで 小説「人間豹」
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2008061102000077.html


乱歩が歌舞伎になる−−。大正から昭和にかけて活躍した日本の推理小説の先駆者、江戸川乱歩の「人間豹」が、松本幸四郎(65)・市川染五郎(35)のコンビで歌舞伎化されることが10日、分かった。11月に東京・国立劇場で上演される。


 「黒蜥蜴」「少年探偵団」など映画・舞台・テレビ化された乱歩作品は多いが、歌舞伎として取り上げられるのは初めて。「人間豹」は、月刊誌「講談倶楽部」の昭和9年1月号から10年5月号まで連載された人気小説。青く光る不気味な眼と肉食獣猫属特有のざらついた舌を持ち“人間豹”と呼ばれる殺人鬼・恩田と、名探偵明智小五郎が対決するサスペンスものだ。


 カフェで働く弘子とレビューガールの蘭子という2人の恋人を恩田に惨殺され、自らの命も危険にさらされた青年・神谷が明智に助けを求めるという筋立て。これを、幕末に時代を置き換え、「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)−明智小五郎と人間豹−」のタイトルで、スリリングな舞台に仕上げる構想だ。


 脚本は歌舞伎作家の岩豪友樹子さんが現在執筆中で、幸四郎明智染五郎が恩田と正反対の立場の神谷にあたる人物の2役を演じる。最後は、染五郎宙乗りを見せる予定だ。


 その染五郎は、「乱歩の世界を歌舞伎化するという約15年間温めてきた夢が実現することに、とても興奮しています。インテリな匂いとモダンな美しさを感じていただける歌舞伎になることを目指して勤めたいと思います」とコメント。第1回コクーン歌舞伎に参加したころ、「将来、何か新しいものをできないだろうか」とアンテナを張り巡らせていたところ、乱歩の魅力に引き込まれたという。


 「色彩的な美しさもあって、歌舞伎の様式美に置き換えられる世界だなと漠然と思っていました。この作品は劇中劇もあって、いろんな歌舞伎の手法が浮かんでくる」と今から胸を躍らせている。


 染五郎の案を聞き、自ら主宰する歌舞伎集団「梨苑座」での上演を考えていたという幸四郎は、九代琴松の名義で演出も手がけることになり、「乱歩歌舞伎として、これから二作、三作と続けられたら」とシリーズ化の構想を明かした。一種独特な乱歩の世界が、どう歌舞伎になるのか、秋の話題作になりそうだ。公演は11月3−26日。