DVD 武田真治版『1995年 身毒丸』鑑賞

週末、友人から借りた武田真治版『1995年 身毒丸』を観ました。『身毒丸』は初見です。なかなか面白かったです。蜷川演出もここまで徹底してくれれば受け入れられる。中途半端だとあざとい部分がちょっと見ていて辛い部分もあるので。

身毒丸といえば藤原竜也くんの当たり役ですが、武田真治くんもかなり良いかも。神経質で硬質な危うさがいいです。撫子に母を通り越して「女」を見てる目線などゾクッとするほどの色気。母を追い求めているようで、「女」を求めているエロさがそこはかとなくある感じ。大人と少年のちょうど狭間な感じがあって自身が意識してない部分の色気というか、そういうものが彼の身体から立ち上ってきます。映像で見る限り上手いですね〜。なんというか初舞台のわりにかなり的確すぎるほど身毒丸の感情が出ている感じ。

武田くんはこれが初の主演舞台。でもこの舞台に主演してから舞台から離れてしまいほとんど舞台に立ってないようです。もったいないかも。身毒丸の役がどうも彼としては本位じゃなかったみたい。確かに当時アイドルだった立場からすると役柄が毒々しかったのかしら?でもカテコでは非常に良い笑顔をしてるんですがね。案外、あの役で彼なりに自分を曝け出しちゃった感があったとかで、しんどかったとか?それともまだ役者をやる覚悟ができてなかったのか。今、ミュージカルなどに少しづつ出始めてるようですが、こういう濃い系のストレートプレイをまたやってもいいんじゃないの?とか思いました。

撫子の白石加代子さんはさすがに存在感があって上手いです。強烈ですね。また個人的にこの芝居でこの芝居の空気にしっくりきてると思ったのは女中さんと仮面売りの役者さん。蘭妖子さん、石井愃一さんだそうです。あれ?石井愃一さんてよくTVに出てる人?うひゃ、全然雰囲気が違うかも。