空前のひと

『演劇界 2008年5月号』を立ち読み(笑)この雑誌、1200円のコスパを感じずいつも立ち読みです…ごめんなさい。5月号の特集「歌舞伎の子役たち」が楽しいです。現在の子役の写真から大幹部の子役時代の写真まで。それぞれ現在の面影があります。歌右衛門さんと一緒に写ってる染ちゃんの子役時代の写真も。何歳くらいかな?子役というにはかなりすらりとした体型。


俳優クローズアップは児玉竜一氏が幸四郎さんを取り上げています。「九代目 松本幸四郎  空前のひと」というタイトル。「空前」ですよ、この言葉を使うか、と最初思ったんだけど読み進めていくうち、これしか無いんだと思いました。確かにそうなんだなと。なんとなく今リアルタイムで「九代目 幸四郎」を知っているから、当たり前の存在に思ってしまっているだけかもと。
私にとって「九代目 幸四郎」という役者はとにかく不思議で面白い役者。そして「相手役」によって随分と変化する役者だと思っている。相手に相応の力量があり「幸四郎の芝居」を受け止められるかまたは同じ方向を向いている役者がいる時に本領発揮する役者だと。あまりに独特でまた表現する技術がありすぎるがゆえに受け止めてもらえないと孤立する(空回りしてしまう)役者でもあるかなと。
その「相手を選ぶ」という点を今回、児玉氏が書いていた。あっ、やっぱりそう思う人がいるんだと。最近、自分が幸四郎さんという役者を気に入ってて、だからそう思うのかな?とか思っていたので今回の幸四郎論はちょっとわが意を得たり。