オーチャードホール『Tanguera』

友人からチケットをいただいたので渋谷bunkamura オーチャードホールにタンゴミュージカル『タンゲーラ』を観に行きました。


タンゴミュージカルとはなんぞや?という状況の観劇でした。ミュージカルというほど歌はなかったです。歌う人は一人だけだし。歌手の方はお芝居はするけど踊らない。これをミュージカルと言っていいのだろうか?という感じです。一応ストーリーはあるものの基本、タンゴ舞踊を見せるという感じの構成でした。ストーリーは単純なものなのでわかりやすいです。その物語に沿って、その状況下に相応しい踊りを見せていく。どちらかというと舞踊劇といったほうがいいかも。


それにしてもタンゴ舞踊は初めて見ましたがスピードと複雑な足裁きにビックリしました。上半身はまっすぐで腰から下で複雑なステップを踏むんですね。あまりの速さにどうやって動かしてるかわからないステップもあって「ひえええ」でした。一歩間違えると怪我するんじゃないかと思うアクロバティクな動きも。タンゴって相手ありきの舞踊なんですね。一人で表現をするというものではなく、何かしらを相手にしてその部分で表現する。そういう部分でペアの相手によって踊りがまったく違ったものになるのが面白かったです。動きは女性のほうが激しいのですがリードする男性の力量がかなり踊りに左右されるのかなというのが見えて面白かった。


アルゼンチンタンゴを観るという部分では大変面白かったのですが、いわゆる感動というものは残念ながらなかったです。タンゴを見るにはオーチャードホールは小屋が大きすぎる。もっと小さい小屋であれば、舞踊の熱みたいなのがダイレクトに感じられたかもしれないなと。それと内面の深みみたいなのがもうひとつ伝わってこない。物語が単純だから、というだけではないような気もしますが、何か心に伝わってくるものが無かったです。ただタンゴ舞踊のかっこよさとかそういうものはしっかりと伝わってはきました。