世田谷パブリックシアター『ロマンス』

世田谷パブリックシアターこまつ座&シス・カンパニー公演『ロマンス』を観に行きました。ロシアの作家、アントン・チェーホフの人生を描いた作品。大きなドラマがある芝居ではないですがとっても洒落ている楽しくて暖かい芝居でした。井上ひさし氏のボードビルを愛したチェーホフに対する敬愛の念がストレートに伝わってきて、なんとも素敵なものになっていました。


また個人的に19世紀ロシア文学、19世紀のロシアの社会情勢、というものが戯曲のなかに上手く取り込まれ昇華されているのに感動。ちょうど19世紀ロシア文学を意識したロシア文学、ソローキン『ロマン』を最近読んだばかりだったので、その19世紀ロシアというもの、そして文学(テキスト)というもののあり方の提示が表裏でlinkしていているように感じ、井上ひさし氏の才能に改めてビックリした私でありました。