『市川染五郎傾奇芝居おどり第三弾『不二才』』

お家に篭っていることになったので友人にいただいた2006年1月29日(日)に京都南座で公演した松本錦升(市川染五郎)作・振付・演出の舞踊公演『不二才』(出演:市川染五郎、尾上青楓、尾上紫、松本錦紫)のTV放映された時のDVDを観ました。


なんですかこれ(笑)すげー面白いというか楽しいというか、不思議な世界でした。日本舞踊を基本にしたコンテンポラリーダンスですね。染ちゃんの創作舞踊はちょっと変わっているとの評判は知っていましたけど、ここまでコンテンポラリーだとは思ってもみなかった。芝居仕立てではあるけど、踊りの部分はそれほど判りやすくしているわけじゃなく、より感覚的に音と踊りを組み合わせている感じ。DVDをもらった日にちょっとだけ音なしで流して観た時には「何をしてるの?」って感じでしたが(笑)音を入れて、きちんと通して観たらちゃんとわかりました。失礼しました、染ちゃん。


それとコンテンポラリーではあるけどきちんと「歌舞伎舞踊」の範疇だなという感じも受けました。染ちゃんの歌舞伎役者としての素養がそうさせてるのかも。しかし、染ちゃんて「もどり」の芝居が上手い。いずれ「いがみの権太」をするでしょうけど、(夢の仲蔵の此蔵でも思ったけど)絶対似合うと思う。 とはいえ『不二才』はかなり感覚的なものを押し出してるので好き嫌いは激しく出そうな舞踊ではありました。私、コンテンポラリーダンスの鑑賞経験が無ければここまで受け入れたかどうか。というか、日本舞踊の範疇としてはどうなの?と思ったかもしれません。また、舞踊としてはまだ未熟さが見え、若手舞踊家の自主公演の域を出るか出ないかの微妙なラインかなとも思います。でも生で観たらまたちょっと違う感想だったかもしれません。案外、勢いにのまれて絶賛してた可能性も(笑)とりあえずコンテンポラリーダンス好きとしてはかなり好きかも。とにかく観てて面白かったです。