『第50回記念 日本舞踊協会公演』

歌舞伎座で行われた『第50回記念 日本舞踊協会公演』28日の第二部を観に行ってきました。16:30開演にはさすがに間に合わずとっても見たかった「寿式三番叟」が観れなかったのが残念。


地唄 越後獅子
男性4人の踊りでした。面白みがわからずちょっと退屈…ごめんなさい。


「清元 花雲助合肩」
清元は華やかですね。女性5人の踊りでしたが吾妻節穂さんのしなやかな踊りが個人的に気に入りました。


長唄 素踊り勧進帳
歌舞伎の勧進帳そのままの長唄での素踊り。舞踊のために構成はかなり変えていましたが基本はまんま。んで、やっぱ舞踊でも私の富樫が好き路線変わらずで富樫役の花柳芳次郎さんのキレにいい踊りにうっとり。そういえば義経が戦語りのとこで皆と一緒に踊ってました(笑)


「河東節 山姥」
人間国宝花柳寿南海さんの舞踊。膝がお悪いようで足運びはスムーズではないのですが、さすがのオーラ。決まり決まりが美しいのなんのって。やっぱり違うなあと思いました。


常磐津 関の扉(下)」
今回、なぜこの舞踊会を観ようと思ったのかというかと、これがお目当て。歌舞伎舞踊のなかでも大曲のひとつ。今回は後半のみ。関兵衛実は大伴黒主松本幸四郎さん、墨染実は小町桜の精に松本錦升(染五郎)さん。


幸四郎さん、 座っているだけで貫禄。踊りは丁寧でしっかり決めてくる。けど関兵衛のほうはすっきりしすぎかな、とか。個人的にもっと亡羊としたおおらかさがほすい。でもぶっかえり後の大伴黒主が似合うこと、似合うこと。やっぱこっちがニンなのね(笑)


さて注目の墨染@錦升さん。出がほんとに美しかった。玉様もビックリな美女ぶり。周囲に座っていたおば様連中が「綺麗だこと、あれ誰?」とざわざわ。「染五郎よ」、「えっ〜〜、ほんと?」と双眼鏡でガン見する人多数。いやほんと染ちゃん、化けてましたよ。少し前まで女形の拵えがイマイチだった染ちゃんとは思えない出来。昨年の9月の更科の前の美女ぶりと可愛らしさにビックリしましたが、今回であれは幻ではなかったんだと(笑)拵えが上手くなってきたのか、女形の表情をきちんと作れるようになってきたのか。それと久しぶりに染ちゃんのまともな女形の声を聞きました。以前より低めではありますが甲の声も出せてるし、女形として十分な色ぽい台詞廻しでした。


まあ踊りはじめると肩のラインがまだまだだったりしなやかさが足りなかったりもしましたが、手の表情は美しかったです。それと回転がやっぱ上手いと思う。とってもきれいにふわ〜っと回転してました。ぶっかえり後のさばいた髪型も似合っていた。着物は墨染の時の衣装がすごーくよかった。しぶい色合いなんだけど儚げな感じがあって素敵。