吉原狐

本日も歌舞伎座へ。『納涼歌舞伎 第二部』を観劇。華やかさという部分はあまりない第二部でしたが楽しかったです。人情ものの『吉原狐』では女形さんたちがはっちゃけてました。先代勘三郎さんに当てた演目で45年ぶりの再演だそうですが、福助さんがハマリ役。こういう役だとちょっとやりすぎかなあ…な、はみだし感はあるのですがそれもまた「おきち」という役の個性にも見える。期待?の橋之助さんの女形がでかいけど綺麗だった。すっきりした美女ですよ、素敵。声がお父さんの芝翫さんにそっくりでした。孝太郎さんも可愛かったなあ。遊郭の女のふわふわ感があって。染ちゃんの品がありつつちょっと高慢で崩れた旗本の殿様も美しくってよかったわ。ワルになりきれない加減さが染ちゃんらしいっす。この演目は登場人物、全員キュート、というとこが良いですねー。


踊り三種は踊り手の個性の違いを楽しみました。『団子売』は扇雀さんと孝太郎さんが非常に丁寧に踊っていたという感じだけどあんまり夫婦の情感がなかったような…。孝太郎さんの表情がかわいらしかったです。いつもより綺麗にみえました。『玉屋』はかなり地味な振り付けで踊り手の風情でみせるものなので、染ちゃんはそういう部分ではまだかなーと思うけど、手捌きの美しさにはうっとり。私、やっぱ染ちゃんのクセのないしなやかな踊りが好きみたいです。『駕屋』は三津五郎さんらしいメリハリのある踊り。犬の小吉くんがしっかり踊っていて感心。