ジェイムズ・パタースン『翼のある子供たち』(ランダムハウス講談社)

施設から逃げ出した翼のある美しい少女。白と金の翼を使い自在に空を飛び追っ手から逃げていた少女を助けた女性獣医フラニーとFBI捜査官キットは遺伝子操作にまつわる陰謀の真相に辿り着く。


翼ある子供たちは美しい風貌をもち力と知性も持ち合わせる。飛翔する姿はとても美しく、まさしく「天使」のイメージ。遺伝子操作にまつわるサスペンスはよくあるが、遺伝子操作で生まれた子供を美しく描いたというところにパタースンの上手さがあるような気がする。もちろん、その裏にはそれだけで済まされないものがあるのだが…。サスペンスとしてはかなり甘いし、いかにもハリウッド的なエンターテイメントで終わっているのが残念だ。映画化されるそうだがさもあらん。