新橋演舞場『五月大歌舞伎 昼の部』2回目

後半日程だけあって芝居にまとまりとメリハリがつき非常に面白かったです。満足。詳細感想は後日。最初『ひと夜』が始まってすぐに、女性の怒号が聞こえビックリ。それがなかなか収まらない。どうやら老婦人が一人で騒いでいたようなのだけど係員がロビーまで連れ出してなだめた模様。いったい何だったんだろう。でもそのせいか観客全体が今日は意地でも?楽しんで帰るぞというような雰囲気の一体感に包まれる(笑)


前回、自分的にかなり微妙な演目だった『ひと夜』を気持ち的に引かないでかなり楽しんで見られた。芝雀さん、かなり色っぽくなってました。テンポが良くなっていた感じがしたのだけどどこか変えたかな?


『寿式三番叟』はやっぱり楽しい。今回は前回以上に染ちゃんに目がいってしまった。踊りが大きくなって広がりが増した。染ちゃんの踊りってほんとに音のど真ん中に入っていくんだよねえ。鳴り物のメリハリのある音と完全にシンクロしてる。やはり空に向かっていく感じがする。神を迎えて踊るという感じがあった。というか実はトランス状態?表情が無いようで微妙にお澄まし顔ではなかった。亀ちゃんはやはり粘り気のある柔らかい踊り。染ちゃんとは反対に人としての喜びみたいな感情を爆発させてみせる。前回よりは顔の表情を抑えてたみたいだけどニンマリ顔は見逃さなかった(笑)


『夏祭浪花鑑』はかなり締まった芝居になっていました。段四郎さん、台詞さえ入ればほんと良い三婦なのよね、とあらためて惚れ惚れ(段四郎さん、何気に大好きなのだ)。信二郎さんに存在感が出てきた。体のキレが良いですねえ。芝雀さんのキッパリしたメリハリある台詞も素敵でした。そして何より色んな部分で大きすぎるのは否めないけど吉右衛門さんの団七に説得力がでてましたねえ。唯一、福助さんが甘えた感じが前面に出てしまい気風のよさが無くなっていたのがかなり残念。調子悪いのかな?台詞に力がなかったし。