イアン・マキューアン『アムステルダム』(新潮文庫) 

人物造詣の切り取り方が好みだ。主人公のクライブとヴァーノンの成功者としての品性と俗物加減のバランスが特に良い(笑)ちょっとしたことでそのどちらにも転ぶ。浮世離れしているようでリアルな物語。「モラル滅多打ち!」の帯の煽り文句にはどこが?と問いたい。傑作と噂されている『セメントガーデン』を読むべきか。